マンション生活Q&A(その2)
マンションの生活に関するQ&Aをご紹介します。
疑問に対して解決のヒントとなる一つの考え方を示したものであるため、類似する個別の事例には対応していません。
個別の事例に対処する場合は、弁護士等の専門家の見解を得ることをお勧めします。
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【Q】
普通決議、特別決議とは何か教えてください。
【A】
区分所有法では、集会(総会)の決議は、原則として、普通決議は組合員および議決権の各過半数の賛成で、特別決議は組合員および議決権の各4分の3以上、また建物の建替えについては各5分の4以上の賛成によって可決するとしており、決議内容により、そのハードルを高く設定しています。
一般的に、普通決議事項で扱う議案は、収支決算報告や事業報告の承認、理事・監事の選任または解任、使用細則の制定・変更・廃止などです。
また、特別決議事項で扱う議案は、管理規約の設定・変更・廃止、管理組合法人の設立、共用部分等の変更、大規模滅失における建物の復旧などになります。
なお、標準管理規約では、普通決議事項は出席組合員の過半数で決することとしています。
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【Q】
理事会はどのようなときに開催すればよいのでしょうか?
【A】
理事会では、通常、収支決算(予算)案や事業報告(計画)案の作成、管理規約や使用細則、長期修繕計画の制定・変更・廃止に関する案の作成などを行います。
ときには居住者からの苦情への対応や組合員からの管理費の入金状況の確認が必要になる場合もあり、理事会の開催頻度はマンションの規模や議題の多さによります。
特に定めはありませんが、管理組合の中には、役員の出席率を高めて、理事会が不成立にならないよう、年間スケジュールで毎月や隔月などの開催日(第何週○曜日△時~)を決めているところもあります。
事業計画や予算執行状況の確認、日常発生する問題点や対策など、決定しなければならない議題があると思われますので、定期的に開催することをお勧めします。
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【Q】
理事会は誰が招集するのですか?
【A】
標準管理規約第52条では理事会は理事長が招集することとしています。
また、理事の一定数の請求があった場合にも理事長は速やかに理事会を招集しなければなりません。
マンション生活Q&A(その1)
マンションの生活に関するQ&Aをご紹介します。
疑問に対して解決のヒントとなる一つの考え方を示したものであるため、類似する個別の事例には対応していません。
個別の事例に対処する場合は、弁護士等の専門家の見解を得ることをお勧めします。
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【Q】
総会に出席できないことから、事前に委任状に他の組合員の氏名を書いて提出しようと思っていますが、
その組合員の方が総会を欠席した場合、委任状はどうなるのでしょうか?
【A】
委任状に書かれた組合員の方が総会を欠席した場合、委任状は無効になってしまいます。
事前にそのことが分かっていれば、出席できる他の組合員に委任するか、または議決権行使書
(総会に出席できない場合、総会開催日前に議案の賛否を記載した書面を総会の招集者に渡して、
議決権を行使すること)を使うとよいでしょう。
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【Q】
総会の議決権行使にはどのような方法があるのでしょうか?
【A】
組合員本人が総会に出席して自らが行使することが原則となりますが、標準管理規約第46条第4項では
「書面または代理人によって議決権を行使することができる」としています。
前述の書面とは、議決権行使書(議案の賛否を記載した書面)のことを示します。
また、代理人は委任状(代理権を証する書面)を理事長に提出しなければなりません。
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【Q】
賃借人にも総会開催の案内通知を出すべきでしょうか?
【A】
賃借人は組合員ではありませんので、基本的にその必要はありません。
ただし、総会で賃借人が利害関係者となるような議案審議をする場合には、
総会に出席して意見を述べることができますので、そのための配慮が必要となります。
例えば、建物の使用方法や行為の停止などに関しては意見を述べられますが、
管理費の値上げに関しては、賃借人が直接負担するわけではないため、意見を述べることはできません。
また、意見を述べることはできても、賃借人は組合員でありませんから、決議に加わることはできません。
被災生活での管理組合
地震発生3~4日目
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水が利用できない場合、トイレの工夫をします。
既存の便器、ポリバケツ、頑丈なダンボール等に、ビニール袋を2~3重に
かけ新聞紙や紙、紙おむつなどを敷いて吸収できるようにして使います。
毎回処理するのではなく消臭剤をかけ、少したまったら袋を縛って、上・下水道の
復旧が再開されるまで各戸で保管をします。
下水道の復旧前に流したり、ゴミ捨て場に無造作に置くと、不衛生です。
ガスは、安全を確認する必要から供給するには、もう少し時間がかかります。
カセットコンロ、ホットプレートや電子レンジなどで代用します。
非常食やレトルトなどを温めるだけの簡単なものであれば、十分でしょう。
地震直後の管理組合
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・理事長など本部長として、集会室などに対策本部や救護所を設置します。
・防災センターと連絡を取り、建物の被害状況や災害情報を把握します。
・必要な応援を近隣町会に依頼し、近隣町会に協力をします。
被災生活での管理組合
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・住戸で生活が出来ない住民の避難所を確保します。
・備蓄品や受水槽の水を居住者に提供します。
・電気、ガスの回復時には、火災が発生しないように呼びかける。
・警備団を組織し巡回する。
・ゴミ集積所を確保する。
・掲示板を設置し、生活情報の伝達、行政報告、建物使用の情報掲示等を行う。
インフラの被害想定
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【上下水道】
構造上も耐震性が高い高層住宅の給水・排水設備の耐震性は、かなり高いと
考えられています。
【電力】
受電設備、配線については、給水・排水設備と比較して被害を受ける可能性は
低く、高層住宅で採用されている高圧受電設備の耐震性は高いことなどを考え
ると、受電から配線は他と比べて耐震性があると考えられます。
【ガス】
ガス配管等の設備被害は、給水・排水設備と比較してかなり低いです。
高層住宅のガス配管等の設備の安全性は、基準よりきわめて高いものと
なっています。
【電話】
有線については電力と同じく、建物内の耐震性は高いと考えられています。
【エレベーター】
震度4以上で、ほぼすべてのエレベーターは停止します。
地震が起きたら
マンションの大きな揺れに注意
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大きな揺れを感じたら、自分の身は自分で守る「自助」の行動が大切です。
あわてず、落ち着いて行動しましょう。
丈夫な机の下などで、揺れがおさまるのを待ちます。
特に高層階は、より大きく揺れることがあるので、注意が必要です。
地震発生直後
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ベランダにいる時に、大きな揺れがきたら、履物を履いたまま室内に入り、
窓ガラスからはなれましょう。
洗面室などにいる時は、閉じ込められないよう戸を開けます。
エレベーターが自動停止した時は、閉じ込められたら、非常呼出ボタンで連絡を
とるか、大声で助けを求めます。
テレビは点かないので、ポータブルラジオを窓際に置き、情報収集します。
地震発生1時間後
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火の元を断ち、ガスの元栓を閉めます。ガス臭がしたら窓・ドアを開けて
換気し、ガス会社に連絡する。絶対に火は使わないようにします。
電気火災を防ぐため、電化製品のスイッチを切りコンセントも抜きます。
避難する時は、ブレーカーを切ります。
エレベーターに、閉じ込められている人がいないか確認します。
大きな揺れの後は、点検が終わり安全が確認されるまでは、使用できません。
安否確認と避難の支援は、集会室などに集まり、分担・協力して各戸の安否を
確認します。
また、自力で避難することが難しい人の支援を行います。
安全のため複数人で協力して行動します。
地震発生2日目
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建物の被害を把握し、各階の状況を見回り、建物の被害や設備の状況を確認します。
使用に支障があるところは立入禁止にするなど応急処置をします。
大きな損壊がなければ、自宅で過ごします。自宅の損壊が大きい場合や、高層階の
ため移動や飲料水の運搬が困難な場合は、集会室等での避難を検討します。
食材を持ち寄って炊き出しをしたり、給水車から水を運ぶなど、役割分担し
協力し合います。
出入口やオートロックに不具合がある場合は、見回りなどの防犯対策も必要です。
必要に応じて備蓄してあるペットボトルの水、食料などを配給します。
水の貯め置きのない人には簡易トイレを配ります。
電力が復旧し始めます。
「マンションの防災対策」について
マンションの防災対策
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マンションは、一般的に耐火性、耐震性に優れ、大地震においても比較的安全
と考えられますが、地震後の被災生活においてはエレベーターや電気、ガス、
上下水道などのライフラインが止まると、水や食料、トイレなどを確保するには、
地上と自宅の間を階段で上り下りすることになり、体力的にも大きな負担を
被ることになります。
そこで、マンションの特性をよく知ったうえで地震に備える必要があります。
地震が発生したら?
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まずは安全確保を、わが身の安全と家族の安全を確保しましょう。
火の元の始末を忘れずに、揺れがおさまったら火の元を確認しましょう。
避難路の確保を、地震による揺れで玄関ドアがゆがみ開かなくなると、
室内に閉じこめられる危険性があります。
地震が起きたらなるべく早くドアを開けるように心がけましょう。
エレベーターは使用禁止、エレベーターでの避難は、内部に閉じこめられる
など二次災害の危険があるので絶対に避けましょう。
その時困らないために事前の準備
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家具類の転倒防止、マンションでは、高層階になるほど家具類の転倒やけが人が
多く発生したという報告もあります。
必ず家具類の転倒防止を行いましょう。
食料・飲料水の備蓄、地震によりエレベーターが使えなくなると、食料や水など
の生活物資を確保するために階段を利用するしかありません。
最低でも3日分の食料・飲料水を備蓄しましょう。
トイレの確保、排水管などの設備の安全が確認できれば、自宅のトイレを使用
することが可能です。
ただし、断水に備えて普段から浴槽などに生活用水を貯めておくことが大切です。
水がなくても使用できる携帯用の簡易トイレを備えておきましょう。
日ごろからつながりを大切に
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地震などの大災害の時に最も大切なことは、地域住民が一致協力して助け合い
応急対策に当たることです。
良好な地域コミュニティはすべての防災対策の基本となります。
各家庭の防災対策を進めるとともに、地域とのつながりも大切です。
いざという時のために日頃から協力し合える関係を築きましょう。