マンションお役立ち情報

災害時のマンション管理に関する課題

2015年6月15日 / カテゴリ:マンション管理

緊急時の合意形成等に関する相談
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<相談事例>

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●総会の開催を経ていない緊急修繕の手続きはどのようにすればよいか
●緊急理事会を招集して緊急工事の実施を決めたいが、出席記理事が不足して
理事会が成立しない場合どうすればよいか
●安全確保のため緊急に対応が必要だと思われるとき、その判断、工事の手配を
理事長が決めることが許されるか

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災害など緊急時に保存行為として管理者単独で意思決定できる範囲や総会開催が
困難な場合、理事会で緊急対応できる範囲を明確化し、また、緊急時の立入りを
含め、管理規約に定めて置く必要があるのではないでしょうか。

 

 

 

共用部分と専有部分の区分、費用負担に関する相談
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<相談事例>

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●住戸内の壁面(隣戸との隔壁)のクロスにクラックが入っている。構造体にも
クラックが入っているのか心配だが、その調査は管理組合がするのか、その場合の
仕上げの回復工事はどちらがするのか。
●サッシに歪が生じ、サッシの補修のための壁を壊さなければならないが、
壊した壁の内装工事は管理組合がどこまでやるのか。

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構造壁、サッシ等の共用部分の修繕のために壊すことになった専有部分の補修は、
原則は管理組合負担と考えられます。

 

しかし、専有部分であるクロスやボードの破損に対しては、専有部分の地震保険で
補償される場合もあります。

 

 

 

被害状況の把握に関する相談
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<相談事例>

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●倒壊の恐れはないと言われたが、余震でコンクリートが落ちてくる。
本当にこの建物は住み続けられるのか。
●応急危険度判定士に、倒壊の心配があるので補強をするように言われたが、
どのように補強すればよいか。
●きちんとした被害調査・診断をしたいが、どこに任せれて良いのか分からない。

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大震災発生時の被害調査は、広い範囲の建物の判定を迅速に行わなければならず、
専門家も全国から駆け付けます。

 

短時間で行わなければならない判定では、建物のどの部分を見るかによって結果が
異なることがあり、手際よくポイントを案内できることが迅速で正確な判断に
つながります。

 

その場合、専門家が立ち会うことができれば、管理組合にとっても心強いですし、
判定もスムーズに進みます。

 

 

 

 

震災による漏水事故に関する相談
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<相談事例>

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●温水器が倒れて漏水事故が発生した。そのように対処したらよいか
●専有部分からの漏水で下階に被害が生じた。責任の所在はどこのあるのか。

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貯湯式電気温水器は専有部分の設備ですから、経年劣化による交換工事は
各区分所有者が実施することとなります。

 

その時に、不適切な固定方法のまま放置されてしまう可能性があります。
管理組合で設置基準を作り、リフォーム申請時の審査と完了確認を実施する
ことも必要となってきます。

 

これに関しては、震災後、国土交通省から「電気貯湯器等の転倒防止措置の
点検等について」という通知が出ていますので、参考にしてください。