マンション自己点検のポイント
屋上
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屋上は年間を通して気候の変化、寒暖の変化、天候等による影響を受けている
箇所です。
屋上の防水が劣化すると、雨水が浸透し、躯体のコンクリートの劣化が進む
ことになります。屋上がどのような状態かを見てください。
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●平面部や外縁部等の表面に、ひび割れ、はがれている部分、表面が浮いたり
ふくれている部分等がないかを見ます。
大きなひび割れ等は、防水層まで影響する可能性があります。
また、植物等の繁殖がないかも確認します。植物の根は防水層に達すること
があり、そこから雨水が浸透します。
●最上階のベランダや廊下からひさしの裏側を見たり、最上階の階段室の上部を
見て、そこに、雨水が漏れた跡がないかどうかを見ます。
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外壁
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屋上と同様に、年間を通じて気候の変化等の影響を直接受けている箇所です。
外壁の表面の塗装が劣化すると、雨水が浸透し、躯体のコンクリートの劣化が
進むことになります。
外壁については、建物の壁面、共用廊下、バルコニー等を点検します。
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●汚れは、カビや鉄部のさび、粉塵等により発生します。
美観上の問題となるばかりでなく、外壁の塗装の劣化の原因となります。
●はがれ、浮き、ふくれは、塗料が古くなり付着性が悪くなることにより発生
します。美観上の問題ばかりでなく、コンクリートの劣化の原因となります。
なお、塗装の浮きの状況を調べるには、表面を軽く叩き、鈍い音がすることで
確かめられます。
●ひび割れ、モルタルの剥落があると、長期にわたってそこから雨水が浸透し、
コンクリート内の鉄筋を腐食させ、鉄筋が腐食することでさらにひび割れや
剥落が発生します。
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鉄部の手すり等
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さびや腐食は、美観上の問題となるばかりでなく、例えば手すりの根本の部分
から雨水が浸透し、コンクリートの劣化等にもつながります。
また、階段やバルコニーの手すりや屋上の柵等が腐食すると大きな事故にも
つながりかねません。
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●さびが相当進み、手すりの根元のコンクリートのつなぎ目部分が完全に腐食
した状態になってしまうと、コンクリートの劣化も相当進んでいると考えられ
ますので、手すりの取り替えとコンクリートの補修工事が必要です。
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給排水設備
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給水設備では、水の濁りや水圧(水の出が悪い)等の点検を行います。
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●水道の水が濁っていませんか?
●洗濯物に色が付いたりしませんか?
●水の出が悪く(水圧が低く)ありませんか?
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排水設備では、流れが悪い、強い悪臭がしないかどうかとともに、排水管の
水漏れ箇所やさびについての点検を行います。
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●排水の流れが悪くありませんか?
●排水溝から強い悪臭がしませんか?
●排水管に水漏れやさびが見られませんか?
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状態をより的確に調査するために、全戸を対象にアンケート調査を実施する
ことが必要です。