マンションお役立ち情報

ランニングコストを見直して支出削減

2025年4月22日 / カテゴリ:マンション管理, 会計業務

近年、物価や人件費の急激な高騰により

マンションを維持管理していくためのランニングコストが上昇し

今までの管理費では賄えない事態となっている管理組合が増えてきています。

電気料の値上がりや、火災保険料の価格改定だけでなく

日常的な修繕費や備品消耗品などの物品の価格も軒並み値上がっており

どこというより全ての費用が底上げされている状況です。

清掃や点検を行っている業者から

人件費や材料費、燃料費、交通運搬費等の高騰を理由に

やむを得ず値上げの申し出があった管理組合も

少なくないのではないでしょうか。

 

そもそも管理費とは

共用部分の電気料金や水道代、管理会社の委託料など

以下のような通常の管理に必要な経費のことをいいます。

 

・電気料金・水道代

・管理員の人件費

・共用設備の保守点検費

・清掃費及びごみ処理費

・機械警備を含む警備費
・備品消耗品費、通信費
・共用部分の火災保険料、地震保険料その他の損害保険料
・経常的な修繕費
・清掃費及びごみ処理費

・植栽の維持管理費
・委託業務費
・専門的知識を有する者の活用のための費用

・公租公課
・その他の運用費

 

これらの経費は日々の生活に深く関係しているものが多く

コストの削減は容易ではありませんが

ここでいくつかの方法をご紹介したいと思います。32367996_m

 

保険会社や保険内容の見直し

マンションの火災保険は、近年の自然災害の増加や

築年数の経過したマンションでの漏水事故の増加により

度々料率が改定されており、値上がりが顕著です。

但し、保険会社によって提示される保険料は様々ですので

現在の保険契約がまもなく終了となる段階で

別の保険会社に相見積をとってみるのも良いと思います。

それでも高額であれば

建物評価額や付保割合を下げて保険料を下げるといった方法もありますが

保険事故で支払われる限度額を下げるリスクが伴いますので、ご承知おきください。

 

電子ブレーカーの導入

共用部分のブレーカーを電子ブレーカーというものに交換すると

いままでの「負荷設備契約」から「主開閉器契約」という

別の電力契約に変更ができます。

「主開閉器契約」にすると

電気の基本料金を削減することが出来

特に機械式駐車場やエレベーターなどが設置されているマンションに

削減効果が期待できます。

 

LED照明器具への交換

LEDは少ない電力で従来の照明と同等の明るさを維持します。

共用部分は照明が多いので、より電力削減効果が期待できます。

また、2027年末までに一般照明用蛍光ランプの

製造・輸出入が禁止となるようですので

まだ蛍光灯のマンションは、LED器具への交換をお勧めします。

 

清掃・保守点検の見直し

館内清掃や排水管清掃などの清掃業者や

消防設備点検やエレベーター点検などの各種点検業者を

より安価な業者に変える方法もあります。

しかしながら、変えることにより

作業の質が落ちてしまうリスクもありますので

業者は変えず、清掃内容や点検内容だけを見直しても良いと思います。

例えば、排水管清掃の日数を今までの2日間から1日間に変更したり

エレベーターの出張点検の回数を減らしたりして

費用を削減してもらう等の方法が考えられます。

 

管理委託契約の見直し

上記の見直しと同じですが

管理会社に委託している業務の中で削減できるものがあれば

なくしてもらう方法もあります。

例えば、管理員をなくしたり

会計業務のみを依頼して、その他の理事会運営は役員が担っていったり等の

削減方法が考えられます。

管理費の大部分が管理委託費になっている管理組合も多いと思いますので

費用の削減効果は期待できますが

その分不便にはなりますので

本当になくしても良いのか、穴埋めはできるのか

よく検討してから決めましょう。

 

ランニングコストの削減にはいろいろな方法がありますが

全てに共通しているのは

それなりの手間と時間がかかることです。

かといって、物価の高騰はまだ収まる気配がありませんので

うかうかもしていられません。

理事会役員には頭の痛い話ですが

特に管理費が赤字会計の管理組合は

なるべく早く手を打ち、黒字化を目指しましょう。