マンションお役立ち情報

理事会役員のなり手不足を解消するには

2025年2月21日 / カテゴリ:マンション管理, 総会・理事会

昨今、マンションでの理事会役員のなり手不足は深刻化しており

弊社で管理させていただいているマンションも例外ではありません。

マンションの築年数の経過に伴い居住者も高齢化し、体力的に難しい方や

若くても仕事で忙しい方

単純にマンションの維持管理に無関心である方などの増加により

輪番制で役員が回ってきても欠席ばかりで

実質役員業務をしていない人が増えました。

特に出来るけどやらない「無関心層」の増加は深刻です。

以前、私が担当しているマンションで

欠席者が抽選で理事長に就任したことがあり

本人にそれをお伝えしたところ

「忙しいのでやらない」と一方的に断られてしまったこともありました。

管理会社は理事長を選任する立場になく

あくまでも決定事項をお伝えするだけですので

こういった場合、対処が非常に難しいです。

結局、その時は別の役員様に事情をお伝えして理事長に就任いただきましたが

マンションの維持管理にご理解のある方に負担が集中してしまっている現状は

やはり好ましくないと思います。

 

31127581_m

 

以前のブログで役員の負担を減らすための方法として

第三者管理者方式をご紹介しましたが

それなりの費用が掛かるので実際依頼できる管理組合は多くないと思います。

今回は、なるべく費用を掛けずに

役員のなり手を誘致する方法を考えてみたいと思います。

役員を誘致するには、仕事を理解してもらうことと

参加しやすくする環境が大事だと思います。

あくまでも一例ですが、理事会の改善点を考えてみました。

 

役員の業務は明確であるか?

役員をしたくない理由の一つに

「何をしたらいいか判らない」いう方がいると思います。

どのような仕事があるのか、生活にどのくらいの負担になるのか

といった不安要素があり

役員の就任を嫌う傾向があるようです。

役員になった場合、どのような仕事をおこなうか明確化することにより

「思ったより難しくないな」とか

「これくらいの負担で自分のマンションを守る為なら」といった

意識の方を役員に誘致することができます。

管理会社に業務委託しているマンションでは

役員業務は大きく軽減されていると思いますので

まずはそれを知ってもらうことが大事だと思います。

 

無駄な理事会をしていないか?

マンションによっては月に1回程度

必ず定例で理事会を開催している所もありますが

定例なので検討する事項がない時でも開催されるので

ほぼ雑談だけで協議が終わってしまう場合も少なくありません。

人によってはこの雑談の時間が無駄に感じることがあり

建設的でないなら参加しないといった考えの方もいます。

定例の理事会は廃止して

協議の必要な事項が出来た時に都度理事会を開催するようにすれば

開催の頻度を減らせますし、雑談も減ります。

効率的な理事会を開催することにより

「効率的に理事会に参加したい」といった人を誘致できます。

 

役員数は適正か?

役員の人数は、マンション毎に管理規約に定められています。

極端に役員が多い場合には管理規約を改正して

役員の定数を減らすことも有効な方法です。

役員の適正な人数は一概にはいえませんが

管理会社に業務委託している一般的なマンションでは

役員の人数があまり多くないほうが

速やかな理事会運営となることが多いようです。

 

役員資格の拡大

法令上は役員の資格についての制限はないため

管理規約を改定することにより

役員の資格要件を拡大することができます。

多くの管理組合では役員の資格については

管理規約では区分所有者であることを要件としています。

理事のなり手を確保するという目的であればこうした要件を廃止し

配偶者や親族等もOKにすれば

高齢の区分所有者でもご自分の代わりをたてられますので有効です。

しかし、区分所有者以外の例えば賃借人等が役員になった場合には

区分所有者の利益に反する方向に

話が進んでしまう可能性もあり得ますので

資格の拡大範囲は慎重に検討しましょう。

 

役員のなり手不足が悪化すると

マンションの維持管理ができなくなり

結果的に資産価値の低下、最悪の場合スラム化につながります。

抜本的な解決方法はありませんが

区分所有者が少しでも役員に参加しやすくする環境を整えることが大事だと思います。