理事長の仕事とは
理事会の役員が輪番制になっている管理組合は多いと思いますが
その場合、抽選等により思いもよらず理事長になってしまうといったケースもあります。
いままで理事会・総会にあまり参加してこなかった方は
理事長がどのようなことをしているのか見当もつかないと思いますが
実際どのようなことをしているのでしょうか。
今回は、管理会社と管理委託契約を結んでいるマンションで
理事長がどのような仕事をしているか、ご紹介したいと思います。
・重要書類の引継ぎ・保管
前任の理事長から管理組合の重要書類を引継ぎ、保管します。
点検・修繕の報告書や会議の際に使用した資料などの多くは
管理室や管理会社で保管できますが
管理会社で保管することが好ましくない書類(例えば管理会社との契約書など)は
理事長が保管します。
・銀行印の引継ぎ・保管
管理組合は、区分所有者から管理費や修繕積立金などを徴収したり
各種費用を支払う業務を行うため
銀行をはじめとする金融機関に預金口座を開設しています。
理事長が変更になりましたら
前任の理事長からこの預金口座の銀行印を引継ぎ、保管します。
預金の口座の通帳を管理会社で保管し
銀行印を理事長が保管し分別管理することで
不明な出金を防ぐ狙いがあります。
各種費用の支払いが発生した場合
管理会社は金融機関の振込書類を作成し
理事長に捺印いただくことで、支払いを行います。
・預金口座の名義変更
通常、ほとんどの管理組合は法人化していないため
法人格のない団体となり
預金口座は「○○マンション管理組合 理事長〇〇 〇〇」という名義で
各種取り引きを行うことになります。
理事長が変更となりましたら
預金口座の名義を今の理事長の名義に変更する手続きを
金融機関にて行います。
身分証明書以外の必要な書類は管理会社が準備してくれます。
・月次収支報告書の確認
管理会社は毎月、「月次収支報告書」を作成し
管理組合に報告しなければなりません。
これは「マンション管理適正化法」という法律で義務付けられており
管理会社はその月の収支報告書を管理費会計、修繕積立金会計と区別して作成し
1ヶ月以内に書面で管理組合の管理者(理事長)等に交付しなければなりません。
月次報告書に添付されている資料は管理会社によって異なりますが
一般的には貸借対照表、未収金一覧表等も添付します。
理事長は毎月月次報告書を確認し、管理組合の収支を把握します。
・理事会や総会の開催
理事会はその期の役員のみで行う会議で
総会は組合員全員で行う会議です。
マンションの修繕やトラブルの解決など
マンションを維持管理していくための会議を行います。
軽微な修繕やトラブルの解決などは理事会で決定することが多いですが
大きな修繕や決定事項などは、理事会で方針を決めて
年に1度の総会で議案として組合員に上程します。
理事会は年に数回開催し、総会は通常年に1度開催されます。
(緊急で決めたいことがある場合、臨時総会を開催する場合があります)
理事長は議長として、日時と議題を決めて会議の進行を行いますが
管理会社が代わりに進行を行うことも可能です。
・各種契約の締結
工事や点検、清掃を業者に依頼する際の契約や
共用部分の保険契約は、理事長が締結します。
・居住者からの相談やトラブル発生時の対応
居住者の方からの相談やマンションでトラブルが発生した時に
解決すべく対応します。
理事長本人に相談してくるケースもあれば
管理会社経由で相談があるケースもあります。
理事長ひとりで判断するのが難しい場合は
理事会で協議を行うか、管理会社に相談します。
上記はあくまでも一般的な業務ですので
管理組合によっては、別に特殊な仕事を行っている場合もあります。
仕事は多岐にわたり、最初は考えることが多く
負担に感じることもあるかもしれませんが
判らないことがあれば管理会社のフロントになんでも相談してみましょう。
理事長職を務めることは
ご自身のマンションを知る良い機会でもあります。