大規模修繕工事とは
マンションを適切に維持管理していく上で重要な「大規模修繕工事」
理事会役員や修繕検討委員にならないと
どのような工事をおこなっているかなかなか分かりづらいと思います。
※修繕検討委員とは、大規模修繕に関する計画や決定事項などを
専門に行う委員会のメンバーのことです。
国土交通省のガイドラインでは、大規模修繕工事は
「マンションの快適な居住環境を確保し、資産価値を維持するために行う修繕工事や
必要に応じて建物及び設備の性能向上を図るために行う改修工事のうち
工事内容が大規模、工事費が高額、工事期間が長期間にわたるもの等をいう。」
と書かれており、大体12年~15年に一度行うのが望ましいとされています。
具体的には、屋上やバルコニーの防水工事
外壁の下地補修・タイルの貼り替え・塗装、鉄部の塗装
シーリングの打ち替え等行い
場合によっては給水管や排水管の更新を行う場合もあります。
但し、工事内容はあくまでも管理組合が決めることであるため
必ずしもこの内容で行うとは限りません。
例えば屋上防水工事は足場を必要としないため
防水の状態が良好であれば、実施時期を延期することもあります。
大規模修繕工事を行うにあたり
理事会役員や修繕検討委員は次のようなことを行っています。
①建物の劣化状況を調べる
②劣化状況を基に、工事の内容を決める
③決めた工事内容で、(複数の)業者から見積りをとる
④見積りを基にどの業者に依頼するか決める
⑤工事内容、業者を決めたら総会に上程する
※上程とは、議案などを会議にかけることです
⑥総会にて可決承認後、業者と契約し、具体的な工事の日取りを決める
⑦工事中、追加で必要な工事が発生した場合、都度検討する
⑧工事が概ね終了したら、検査を行う
⑨検査終了後、業者から提出される工事完了報告書を確認し、工事終了
工事費用は戸あたり100万円が目安とされていましたが
築年数によりやらなければいけない工事が大きく変わってくるので
一概にはいえません。
また、最近は物価高騰のあおりを受け、工事金額が跳ね上がっているため
予想より見積が高額になることが多いです。
資金不足により工事が延期とならないように
管理組合は普段から修繕積立金を計画的に貯めていくことが重要です。