マンションの雨漏りに対する管理組合としての備え
例年、夏から秋にかけて台風が多く発生します。
台風は通常の雨に比べ雨量が増えることや、横殴りの雨となることから、
思いがけない所から雨がマンション室内に侵入します。
雨漏りは原因の特定が困難です。
漏水箇所は主に屋上防水の劣化、外壁のクラック、コーキングの劣化等が考えられますが、
天井裏で水が回って、マンション室内に雨が侵入していることもあり、
漏水箇所は水濡れ箇所の付近とも限りません。
調査は、雨が降っていない時に実施する場合、水を掛けて行いますが、
大量の水を長時間掛け続けることを繰り返し行い特定していきます。
一日で特定できないこともあり、居住者は雨が降る度に不安を抱えながら
生活をしなければなりません。
漏水箇所が判明した後は、漏水を止める工事を行いますが、仮に屋上の防水工事を
長期間行っていない為漏水が発生したのであれば、屋上防水工事を行わなくてはいけません。
工事金額も百万円以上の金額となり、理事会と総会を経て実施することとなると、
漏水発生から数か月後に工事に取り掛かるということもあります。
その間、マンション室内は雨が降る度に漏水が起こり、天井や壁のボードが崩れ落ち、
とても住んでいられる状態ではなくなることも多くあります。
その場合、工事が終わるまでどこかに仮住まいをしなくてはならない事も想定され、
居住者の精神的負担は相当なものとなります。
管理組合にとっては金銭的な負担も大きな痛手となります。
雨漏りは基本的に保険で対応できません。
漏水原因が分からずその調査をする為であれば調査費用は保険で賄うことは出来ても、
修理費用や部屋内の原状回復費用は保険金が下りません。
その為雨漏りが起こると金銭的な負担が発生します。
今まで防水工事を実施していない管理組合は、修繕費が不足している為
実施していなかったという所も多く、急な出費に対応できないケースもあります。
漏水を発生させない為には、なによりも計画的に修繕を行い、メンテナンスをすることが
重要で、屋上やルーフバルコニーの防水工事、外壁の修繕を定期的に実施することです。
また、工事の保証期間があると漏水が発生しても修繕費による金銭的負担が無くて済みます。
保証期間が終わるころに次の防水工事に取り掛かれるよう準備をしておくことです。
修繕費が不足している管理組合は、修繕積立金の値上げも検討し備えていく事が重要です。