マンションの防災対策
10月20日に、熊本県の阿蘇山で、これまでよりも規模の大きな噴火が発生しました。
2週間前の10月7日には、関東で震度5強の強い揺れを観測する地震もありました。
気象庁は、各地で災害が頻繁に発生していることから、日頃からの備えを
進めるよう呼びかけています。
近年発生した地震被害では負傷者の3~5割の方々が屋内における家具類の
転倒・落下によって負傷していることが判明しました。
地震時にはテレビ、電子レンジなどの家電製品の転倒・落下・移動(以下
「転倒等」という)や、本棚やタンス、食器棚などの大きな家具が転倒等する
ことがあります。
家具類の転倒等が高層階に行くほど多く発生している傾向が確認され、
この原因の一つに長周期地震動の影響が考えられることから、東京消防庁では、
長周期地震動を含む地震に対する高層階の室内安全対策専門委員会を設置し、
高層階等における家具類の転倒等防止対策を検討しました。
家具類が地震により転倒等すると、転倒等した家具類の下敷きになるほか、
移動した家具が衝突して負傷したり、転倒等した家具類が出入口を塞ふさいで
避難障害を発生させる危険性があります。
ご自身やご家族の負傷を防止し、避難障害の発生を防ぐためには、家具類の
転倒等防止対策が非常に大切となります。
特に、「寝室」や「リビング」にはなるべく家具を置かないようにしましょう。
置く場合には背の低い家具にするか、家具の置き方を工夫します。
さらに、外に落下する危険があるので、窓際には重量物や転倒等しやすい物を
置かないようにしましょう。
転倒等防止対策の基本は、ネジによる壁への固定です。
家具を固定する対象は、壁下地の柱、間柱、胴縁等とします。
しかし、マンションの共用部分の壁など、穴をあけることができないため、
転倒防止器具が取り付けられない場合も想定されます。
最近では、転倒防止器具の取り付けができる機能がついた壁のマンションも
出てきましたので、管理会社などに相談してください。
また、上下2段に分かれる家具は、上段が落下する危険があるので平型金具などで、
連結してください。
また、緊急地震速報を受けた場合、退避できるように、なるべくものを置かない
安全スペースを作っておきましょう。
安全スペースの例としては、寝室・自宅内廊下・共用廊下・エレベーターホールなどで、
安全スペースには、避難時に散乱した屋内収容物(陶器など)やガラスなどによる負傷を
避けるため、厚手の手袋、底の厚い履物などの準備をしておきましょう。
地震災害から身を守るための事前の備えは、室内の安全対策からです。
この機会に室内の安全対策を見直してみましょう。
備えの一つとして地震保険やマンションの保険等の加入も、お勧めします。
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